まず結論から:開業初期・個人事業主の方には「三井住友ビジネスカード for Owners」がおすすめです
年会費1,375円、ポイント還元率1%。月20万円の経費をここに集約するだけで、年間2万円が戻ってきて、帳簿入力の手間が月1〜2時間分ほど消えます。難しいことは何もないです。
はじめまして、株式会社キトスタック代表の伊東です。神奈川県の藤沢と平塚でレンタルスペース「RentalSpacekite.」とスタジオ「StudioLOKU」を運営しています。本業はシステムエンジニアで、副業でスペース運営を始めて、そのまま法人化したという経緯です。
法人カードに切り替えたのは、法人化してからしばらく経ってのことでした。それまでは個人カードや現金が混在していて、月末になるたびに「あれ、この領収書ってスペース用だっけ、個人用だっけ」という状態が続いていました。あの頃に戻りたいとは全く思わないので、同じ悩みを抱えている方にはできるだけ早めに整理してほしくて、この記事を書いています。
こんな状態になっていませんか?
「今月スペースの経費いくら使ったっけ」——スペースを1室でも回していれば、月末にこの問いに即答できない経験が一度はあると思います。
Amazonで清掃用品を買って、ホームセンターで工具を買って、ネットで備品を仕入れて。気づいたら手元に領収書が5枚バラバラに積まれている。会計ソフトへの入力だけで30分以上消えて、しかもポイントは個人カードに貯まるだけ。スペース運営には1円も還元されない。
僕も最初はまさにこの状態でした。副業でスタートした最初の1年は「とにかく予約を回すことが優先」で、お金の管理は後回し。でも確定申告の季節になると毎回地獄を見ていました(笑)。
RentalSpacekite.は藤沢64㎡・平塚40㎡の多目的スペース、StudioLOKUは平塚20㎡のダンス・整体スタジオ+ピアノ専用ルームという構成で、スマートロックと自動メッセージで無人運営をしています。「小さいスペースだから経費も大したことない」と思いがちなんですが、実際に集計してみると意外と積み上がります。
実際のところ、レンタルスペース1室の月次経費はこんな感じになります。
| カテゴリ | 月額目安 |
|---|---|
| 清掃用品・消耗品 | 1〜2万円 |
| 備品補充(照明・家具・小物など) | 1〜3万円 |
| 光熱費 | 1〜3万円 |
| 各種サービス利用料(予約システム・スマートロック等) | 1〜2万円 |
| 合計 | 5〜10万円(1室あたり) |
1室でも5〜10万円、複数室になれば軽く20万円を超えてきます。うちの平塚スペース単体で見ると、月の光熱費が約1.8万円、清掃費が月平均9,200円。それにスマートロックや予約システムの費用が乗ってくるので、平塚1室だけでも月5〜8万円規模になっています。
これを現金や個人カードで払い続けているなら、毎月数千円〜2万円近い還元機会と、月30分以上の作業時間を捨てていることになります。
さらに見落とされがちなリスクがあります。個人カードと事業経費が混在すると、税務調査のときに「この支出は事業用ですか、個人用ですか」という説明が求められることがあります。答えられなければ、経費として認められないケースも出てくる。実際に知り合いのスペース運営者が税理士から「個人カードと混ざってるのは整理したほうがいい」と言われて、慌てて直していました。他人事じゃないです。
解決策:3つのステップで経費管理を”仕組み化”する
SEとして働いている影響もあると思いますが、僕は運営の仕組みを「一度設定したら自動で回る」状態にするのが好きで、経費管理も同じ発想で整理しました。スマートロックの設定も、予約システムAmeliaの自動化も、全部「最初だけ手間をかけて、あとは触らない」設計にしています。経費管理も全く同じ考え方です。
Step 1|法人カード1枚に経費を集約して、明細の自動連携でほぼゼロ入力へ
まず法人カードを1枚作って、スペース関連の支払いをすべてそこに集めます。光熱費の引き落とし、Amazonの清掃用品、予約システムの月額料金、スマートロックのサービス費用——全部そのカードに紐づける。それだけです。
次にfreeeかマネーフォワードとAPI連携させます。これで明細が自動取り込みされて、手入力の作業が大幅に減ります。設定は最初の1回だけ。あとは自動で動いてくれます。
僕はマネーフォワードを使っていますが、設定してからは月末の帳簿入力がほぼなくなりました。カテゴリの仕分けを少し確認するだけで終わります。自社サイトはWordPressのSWELL×ConoHa Wing構成、予約システムはAmeliaを自分で導入していますが、こういうツールは一度設定してしまえば後は触らなくていい——経費管理も同じ発想です。「最初に仕組みを作る手間」を惜しまなければ、あとがラクになります。
Step 2|月20万円の決済でポイントを年2万円、運営コストに充当する
ポイント還元率1%のカードで月20万円を回すと、年間2万円相当が戻ってくる計算になります。清掃用品なら1〜2ヶ月分に相当する金額です。
「たった2万円」と思うかもしれないですが、30〜40㎡くらいのスペースで月の予約売上が10万円前後のレンジだと、2万円はけっこうな金額です。消耗品費の削減にもなるし、何より「何もしてないのに戻ってくる」というのが純粋に気持ちいい(笑)。
RentalSpacekite.を始めた最初の頃は口コミがなかなか集まらなくて、予約件数が安定しない時期が続きました。毎月の固定費が出ていくのに売上が読めない、という状態は精神的にもきつかったです。そういう時期こそ、カードポイントで消耗品費が少しでも浮くのはありがたかった。小さいことですが、積み重ねは大事だと実感しています。
Step 3|明細のカテゴリ別可視化で「無駄な固定費」をすぐ発見する
カード明細を会計ソフトでカテゴリ分類すると、「このサービス、先月も今月も使ってないのに課金されてる」という発見が必ず起きます。
僕も一度、使っていない予約補助ツールに3ヶ月間気づかず課金されていたことがありました。月次でざっと明細を眺めるだけで、こういうムダがすぐ見つかります。経費の全体像が月末を待たずに常時見える状態になるのは、地味に大きいです。
経費管理の流れ(全体イメージ)
| ステップ | 内容 | 頻度 |
|---|---|---|
| ① 支出発生 | 光熱費・備品・清掃用品・SaaS等、すべて法人カード払いに集約 | 都度 |
| ② 明細自動取り込み | freee / マネーフォワードとAPI連携、手入力ほぼゼロ | 自動(常時) |
| ③ カテゴリ確認 | 月次5〜10分で仕分け確認、無駄な固定費を発見 | 月1回 |
| ④ ポイント還元 | 月20万円利用で年2万円相当を消耗品費等に充当 | 年次 |
| ⑤ 申告・税務対応 | 経費が整理された状態で確定申告がスムーズに | 年1回 |
比較:経費規模別・おすすめ法人カード3選
| カード名 | 年会費 | ポイント還元 | 審査難易度 | 限度額目安 | 月20万円向け | 月50万円向け | 月100万円向け |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 三井住友ビジネスカード for Owners | 1,375円〜 | 1%〜 | 低め | やや低め | ◎ | ○ | △ |
| セゾンプラチナ・ビジネス・アメックス | 22,000円 | JALマイル | 中程度 | 大きい | △(割高) | ◎ | ◎ |
| ライフカードビジネスライト | 永年無料 | なし | 低い | 低め | ○(還元なし) | △ | × |
正直なデメリットも書いておきます
三井住友 for Owners:限度額がやや低めに設定されていることがあるので、備品を一括で大量購入するシーンでは枠が足りなくなるケースがあります。複数スペースに拡大してきたタイミングで見直すのがいいと思います。僕自身、RentalSpacekite.に加えてStudioLOKUも動かすようになってきた頃に「そろそろ枠が心もとないな」と感じました。今は利用実績が積み上がってきたので、限度額も少し上がってきています。
セゾンプラチナ:年会費22,000円の元を取るには月50万円以上の利用が現実的な目安です。開業初期や1室運営では正直オーバースペックになりやすいです。「いつかはプラチナ」でいいと思います。焦って作る必要はないです。
ライフカードビジネスライト:無料で使えるのは魅力ですが、ポイント還元がゼロなので年間2万円の還元機会がそのまま消えます。「とにかく法人カードの口座だけ作りたい」という用途には使えますが、せっかく使うならポイントも貯めたほうがいいと思います。
実際に僕がどう使っているか、少し具体的に
StudioLOKUとRentalSpacekite.、藤沢・平塚の2スペース(ピアノルームやスタジオも含めると4室構成)を動かしていると、月の経費の内訳は大体こんな感じになります。
| カテゴリ | 月額目安 | 備考 |
|---|---|---|
| 光熱費 | 8〜12万円 | 全スペース合計、夏冬は特に上がる |
| 清掃用品・アメニティ | 1〜2万円 | Amazonまとめ買いが中心 |
| スマートロック・通信費 | 1万円弱 | 無人運営の要 |
| 予約システム(Amelia)・各種SaaS | 3〜5万円 | WordPress関連含む |
| 備品補充・小規模修繕 | 1〜3万円 | 不定期・まとめて発注が多い |
| その他(交通費・諸費用) | 1〜2万円 | 現地確認・備品調達時など |
| 合計 | 15〜25万円 | 月によって変動あり |
これを全部法人カード1枚に集約しているので、マネーフォワードの画面を開けば今月どのカテゴリにいくら使ったかが一目でわかる状態になっています。
特に助かるのが光熱費の管理です。スペースの電気代って季節によってかなり変動するので、去年の同月比でどのくらい増えているか、異常がないかをすぐ確認できます。「今月電気代が急に上がってる」と気づいたとき、設備の不具合を早めに発見できたことがありました。経費管理の仕組みが、スペース管理にも間接的に役立っています。
ちなみに、うちの平塚スペースは2025年の年間売上が約295万円で、月平均だと約24.6万円。閑散期の4月・7月・10月は利益がほぼゼロになることもありますが、12月は年末パーティー需要で売上51.6万円・利益24.6万円と跳ね上がります。月によって売上の振れ幅が大きいからこそ、経費がリアルタイムで把握できている安心感は思ったより大きいです。売上が落ちる月に経費が膨らんでいたら、即座に気づけますから。
ポータルサイトの手数料と自社サイトの話も少し
法人カードで年2万円のポイントを取り戻す一方で、ポータル経由の予約では売上の相当な割合が手数料として引かれていきます。経費管理の話とセットで知っておいてほしい部分です。
主要なポータルの手数料はこのくらいです。
| ポータル名 | 手数料率 |
|---|---|
| インスタベース | 35% |
| スペースマーケット | 30% |
| スペイシー | 30% |
| かしかし | 30% |
| くーある | 15% |
| 自社サイト(Stripe等) | 約3.6%(決済手数料のみ) |
インスタベースだと売上の35%が持っていかれます。1万円の予約なら3,500円。自社サイトからの予約であれば決済手数料360円で済むところです。
うちの平塚スペースは2025年の年間手数料が約88万円(売上295万円に対して約30%)でした。この数字を見ると、手数料の重さが実感としてわかると思います。ポータルに掲載すること自体は集客力があるので否定しないですが、「自社に直接来てくれるお客さんを増やしていく」方向を意識しないと、売上が上がっても手数料で持っていかれる割合も同時に増えていく構造です。
だからこそ、自社サイトへの誘導を「うまくやりたい」と思う運営者の気持ちはよくわかります。ただ、ここは注意が必要なポイントです。
ポータル経由で予約したお客さんに対して「自社サイトへ誘導する」行為はポータルの規約違反になります。予約確認メールやメッセージ機能で自社URLやLINEへの誘導は絶対にやめたほうがいいです。
スペース内にQRコードを置いてリピート予約を自社に誘導しているという話は運営者仲間からよく聞きますが、これもグレーゾーンです。規約上は微妙な位置づけなので、やる場合は自己責任の前提が必要です。
ポータルに依存しすぎない構造を少しずつ作っていく——この方向を意識しながら、経費管理の仕組みと合わせて整えていくのがいいと思います。
「でも審査が不安」という方へ
開業したばかりだと「法人カードって審査が厳しいんじゃないか」と心配になる気持ち、よくわかります。僕も最初は不安でした。副業でスタートして、スペース運営の実績もほとんどない状態でしたから。
ただ、三井住友ビジネスカード for Ownersは個人事業主でも申し込めますし、開業直後でも審査に通ったという声はよく聞きます。もちろん状況によって違いはありますが、「まず申し込んでみる」のが一番の近道だと思います。
審査が不安な方は、まずライフカードビジネスライト(永年無料・ポイントなし)で法人カードの口座を作っておいて、実績を積んでから三井住友に切り替えるという順番もあります。還元はゼロですが、「法人カードがある」という状態を作るだけでも経費の整理には役立ちます。
ちなみにですが、本業が会社員でサラリーマンをしながら副業でスペース運営をしている方も多いと思います。会社員の場合は社会保険(健康保険・厚生年金)が本業側で適用されるので、法人化しても国民健康保険の話とは基本的に関係ありません。節税の観点では、経費計上の整理や青色申告、法人の役員報酬の設計あたりが本質的なポイントになります。その前提として、経費をきちんと管理できている状態を作ることが大切なので、法人カードはその土台になる話です。
状況別のおすすめ
個人事業主・開業1〜3年・月経費20万円前後の方
→ 三井住友ビジネスカード for Owners がおすすめです
年会費1,375円に対して、月20万円利用時の年間ポイント還元は年会費の10倍以上になります。審査が比較的通りやすく、freee・マネーフォワードとの連携も問題ありません。「法人カードを初めて持つ」ならここから始めるのが、コストと手間のバランス上もっとも合理的だと思います。
僕が最初に作ったのもこのカードでした。当時はまだ副業スタートで、法人化する前に個人事業主として申し込みました。審査もそこまで難しくなく、思ったよりすんなり通りました。
複数スペース運営・月経費100万円超・出張もある方
→ セゾンプラチナ・ビジネス・アメックスへの切り替えを検討してもいいと思います
限度額の大きさ、コンシェルジュサービス、JALマイルの蓄積を考えると、規模が拡大した段階ではコストを回収できます。ただし、まず三井住友で実績を積んでから検討するのが現実的な順番だと思います。いきなり年会費2万円超のカードを作る必要はないです。
カード選びの判断フロー
迷ったときはシンプルにこの基準で選ぶといいと思います。
| 状況 | おすすめカード |
|---|---|
| 開業〜3年以内・月経費20万 |


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